石狩・屯田防風林の植物に関する参考書・参考 文献 

☆原松次編著「札幌の植物―目録と分布表」 北海道大学図書刊行会 1992 
北海道植物友の会の原松次さん率いる調査班が4年をか けて札幌市内及び周辺部の53地点の植生を調査した目録と分布表。札幌の植生に関する基本文献の一つ。調査地点として石狩と屯田が載っている。
☆石狩町緑化推進協議会「石狩町植生概況調査報告書」 1995 リ ンク
石狩町の委託を受けて阿部義孝さんら4人が町内全域で 植生調査を行った報告書。その中に花川南防風林、花川北防風林、生振筋違防風林・生振基線防風林の植 生リストがカラー写真とともに載っている。
☆花川北森林愛護組合「共生の森―防風林設置100年記念誌」 1993
石狩植物愛好会の阿部義孝さんの「花川北防風林の植 物」が写真とリスト付きで載っている。また「防風林は文化遺産」と題して石城謙吉北海道大学苫小牧演習林長も寄稿してる。
☆花川北森林愛護組合「共生の森 第2集」 2003
阿部義孝さんの追跡調査と与那覇モト子さんら4人によ る調査結果が花川北防風林の【草本植物】【木本植物】計210種としてリストアップされている。
☆与那覇モト子「花川南防風林」北方林業 49(8) 北方林業会 1997
花川在住の与那覇モト子さんが「私のお気に入りの散歩 道」シリーズの一つとして4ページに渡って詳しく報告している。
☆恒屋冬彦「北海道石狩町生振の低地に成立する森林群落について―主な樹種の分布様式と生育地の特性」日本生態学会誌 46(1) 日本生態学会  1996 
紅葉山砂丘や花畔砂堤列帯を含む地域に成立している生 振の筋違防風林・基線防風林の植生を土壌タイプとの関連でまとめている。
☆愛知県団体開拓百年記念事業協賛会「生振村愛知県団体開拓百年史」 1993 
「第三節 生振村の自然」に生振筋違防風林と生振基線 防風林の植生概況、阿部義孝さんの生振筋違防風林植物リストが載っている。また北海道大学環境科学研 究科の木下慎・高木昌興両氏による特別寄稿「生振の自然と動物」が当時の防風林の様子を伝えている。
☆石狩町「石狩町誌 上巻」 1972 
「第五章 第一節 植物」に耕地防風林の植生が簡単に紹介されている。
☆北海道「石狩湾新港地域に係る環境影響評価書(確定)」 1997 
周辺地域の現地調査で生振・花川・屯田の防風林も調査 され出現植物が一覧表になっている。そのうち花川南防風林で一ヶ所方形区調査がなされ組成表が載って いる。
☆石川幸男「石狩平野の幹線防風林」北海道の自然 36 北海道自然保護協会 1998 
石狩平野の防風林には開拓以前の原植生の名残りが含ま れており、自然の現況を考えるスタンダードとして、また先人の苦労を知る上でも重要だとして、各地の 防風林を概観している。防風林ウオッチングの基本文献の一つ。
☆石川幸男「16章 石狩平野の農村景観における防風林の実態とその意義」森への働きかけ 海青社 2010 
著者のこれまでの石狩平野の防風林研究をまとめた総 説。調査した58の防風林に出現した植物276種のなかに道の絶滅危惧種が12種も含まれている。ヤチ ダモ防風林自体も更新機能が失われて絶滅危惧群落となっているとしたうえで、21世紀の防風林の意義や利用を考える必要性を訴えている。
☆並川寛司・奥山妙子「北海道中央部石狩低地帯における湿生林の種組成と群落構造」植生学会誌 18(2) 植生学会 2001 
日本海から太平洋に至る石狩低地帯のハンノキ・ヤチダ モ・ハルニレなどの優占する湿性林40ヶ所を植物社会学的に調査し、主に大平洋側にハルニレーハシドイ群落、日本海側にヤチダモーミズバショウ群落が区分 された。これは気候環境や土壌条件の違いを反映している。
☆屯田開基九十周年協賛会「屯田九十年史」 1978 
195ページから14ページに渡って屯田の開拓二世粟 生亨さんがコラム「屯田防風林」を執筆している。防風林の歴史を振り返り、「いまその重大な使命を終 わって、市民に緑化思想を植えつけ、自然を愛する豊かな詩情を振起こさせる新しい任務についた」と締めくくっている。
☆新琴似百年史編纂委員会「新琴似百年史」 1986 
「防風林の役割」と題して4ページが割かれ、「急速に 都市化が進む中で、開拓当時からの面影を伝える自然の姿は貴重なもの。「日常生活との調和を保つ努力 をしながら、この遺産を守ってゆきたい」というのが、地区住民の意思の公約数のようである。」と書かれている。
☆石狩市「石狩百話」 1996 
第13話に「防風林の保護」、「花畔の防風林は休養緑 地、風致林としてその役割は変わっても、明治二十六年以来百年の歴史を持ち、開拓の息吹きを今に伝え る貴重な文化遺産といえる」と結んでいる。
☆札幌市北区役所「新・北区エピソード史」 2003 リ ンク  
「屯田防風林とともに生きる人たち」のなかで、入植三 代目の粟生嗣悳さんの「地域の共通財産としてこれからも残していかなければ」という言葉を伝えてい る。
☆石狩市教育委員会「石狩ファイル」 2004〜 リ ンク  
防風林関係では「花川南防風林」林迪子、「石狩のエン レイソウの仲間」林迪子、「防風林」神林勳、「石狩の植物」石井滋朗、など。
☆水利科学研究所「都市化地域防風林の整備調査報告書」 札幌営林局 1975 
3分冊に分かれ、1は概況。2は植生などの調査、3は 住民アンケート結果。屯田を含む石狩防風保安林の総合的な調査報告書で当地の防風林の基本文献。五十 嵐恒夫「防風保安林の植生」p.101〜122が詳しい。
☆新琴似連合町内会「新琴似二百号 縮刷版」 1986 
1980年の124号から1981年の135号まで 「防風林に学ぶ教育」と題して新琴似北小学校が寄稿している。地元の小学校として毎年の巣箱かけ、植物 や積雪の調査など防風林を生きた教材として活用した貴重な記録。なお地域新聞「新琴似」は現在も発行が続いており、100号毎の縮刷版が5冊刊行されてい る。そのなかには防風林に関する折々の出来事も掲載されている。
☆近藤圭・藤原一繪「札幌北部近郊における防風林の植物種組成と森林履歴」日本生態学会50回大会講演要旨集 2003 リ ンク  
「特に湿性林では成立年代の古い防風林ほど特有の植物 種が見られた。森林性でない希少植物が比較的若い防風林内に確認されたことから、現在発達段階の防風 林がこれらの種のrefugeとなっている事が今回明らかになった。」
☆塚田友二・岡秀一「北海道石狩平野に残存する森林の植生構造と人為攪乱の関係」日本地理学会発表要旨集 2005 リ ンク
「絶滅危機種であるクロミサンザシなどの生育地にな り,林分はレフュージアとしての可能性を持つ」
☆河原孝行「北方草木便り・3・」 日本植物分類学会ニュースレター 6号 日本植物分類学会 2002 リ ンク
「クロミサンザシ Crataegus chlorosarca はバラ科の低木で、5-8m位になる。環境省版で絶滅危惧 IA 類、北海道版でも絶滅危機種 (Cr) と評価は一致している。 河川沿にできたやや湿性の平地に生えており、(中略)防風林がこのような種の待避地になっている。」
☆河原孝行「札幌周辺里山の植物の多様性にせまる」 研究レポート NO.67 森林総合研究所北海道支所 2003 リンク  
「防風林は従来周辺に普通に生育していた湿性植物や開 放地性植物が逃げ込んでいるレフュージア(待避所)として大きな役割を果たしていると考えられま す。」
☆八坂通泰「絶滅のおそれのある樹木クロミサンザシの保全へ向けて」 光珠内季報 No.136 2004 リンク 
自生地内および自生地外の保全とは?、クロミサンザシ の生育環境、個体数の増減に影響を与える要因、実生による増殖および種子の保存性。
☆八坂通泰「絶滅のおそれのある植物の保全と森林施業」 北方林業 Vol.57 2005 
絶滅のおそれのある樹木クロミサンザシの保全に向け て。絶滅のおそれのある植物の保全のための森林施業。
☆河原孝行・山下直子「絶滅危惧植物クロミサンザシの繁殖生物学 I」 2005 
「防風雪林がクロミサンザシの生き残れるレフュージア として重要な役割を果たしている。(中略)集団間の遺伝的分化と遺伝子流動の状況を明らかにすることを目的として行なった。」
☆河原孝行「日本の絶滅危惧樹木シリーズ(19) クロミサンザシ」 林木の育種 219 林木育種協会 2006 
「クロミサンザシの更新は河川の氾濫など稀に起こる攪 乱によって一時的にできた開放地で生じる、という不連続な更新形態をとっていると考えられる。」
☆八坂通泰「絶滅のおそれのある樹木の保全に向けて」 林木遺伝資源連絡会誌 第3号 2008 リ ンク 
2 自生地の生育環境、3 繁殖特性、4 実生による増殖、5 クロミサンザシの保全対策。
☆八坂通泰・脇田陽一・小久保亮・佐藤孝夫「北海道におけるクロミサンザシの生育実態と保全の取り組み」 生物科学 59(3) 岩波書店  2008 
1. クロミサンザシとはどんな樹木?、2. 自生地の生育環境、3. 繁殖特性、4.実生による人工増殖、5. クロミサンザシの保全対策、6. 北海道における保全の取り組み
☆脇田陽一・八坂通泰・真坂一彦・山田健四・佐藤孝夫「RAPD法から見た北海道におけるクロミサンザシの地理的変異」 日本森林学会北海道支部論文集  56 日本森林学会北海道支部 2008 
道内10箇所から採取したクロミサンザシのDNAを分 析した結果、道央・道東・野付(一部)の3グループに分けられるという。
☆河原孝行・山下直子「希少樹種の現状と保全 11. クロミサンザシ」 2011 リンク 
「クロミサンザシのもともとの生育地は、傾斜の少な く、湿っていて、川が分岐合流を繰り返して土壌がたまっている肥沃な氾濫原である(中略)現在、このよ うな低湿地は、農地、牧草地、住宅地、工業用地として開発が進み、クロミサンザシの生育地がほぼ消滅してしまった。」
☆河原孝行「「希少樹種の現状と保全 10. エゾノウワミズザクラ」 2011 リンク 
「石狩周辺の防風林植生調査では89箇所中クロミサン ザシは5箇所で確認されたが、エゾノウワミズザクラは3箇所で確認されたにすぎない。」
☆金上由紀「北部の春の花々」 花ある風景 サッポロ文庫56 1991 リンク 
「札幌の植物」の調査にも携わった著者が、札幌北部地 域の春の花を中心に、北の都札幌の市街に残された自然を詩情豊かに描いている。この文章で名前の挙げ られたほとんどの植物が屯田防風林にも生育している。
☆飯塚修「ヤチダモを主林木とした防風林内の植生 ―北海道長沼町での調査結果から―」 2010 
「防風林全体の樹種構成は、主林木のヤチダモを上層木 とし、下層にはマユミ、エゾニワトコ、カンボク、エゾノコリンゴ等が多く繁茂し、中層木にはヤマグ ワ、エゾサンザシ、エゾノウワミズザクラ等が、また、林床にはナニワズ、フッキソウ、エゾイチゴ、コマユミなども自生している。木本性つる類ではヤマブド ウ、ノブドウ、ツルウ メモドキ、ツルマサキ等、実に17科40種類もの樹木の仲間が混在し、理想的な複層林を形成している。」と書かれているが、このエゾノコリンゴをズミ、エ ゾイチゴをイシカリ キイチゴと置き換えれば、まるで屯田防風林のことが述べられているようだ。