その17 2004.6.5

黄金山再訪

 なれそめのフギレオオバキスミレに無性に会いたくなって、この5月22日、浜益村の黄金山を訪れました。この日は天気が良くて、山へと向かう車から黄金山がくっきりと見えました。増毛山塊の山々が豊富な残雪で白く輝いています。

 黄金山の登山道(旧道)は写真に見えている山腹をゆるやかに横切るように登り、後半は左手の稜線伝いに直登することになります。

 この山に多いエゾオオサクラソウです。登山口付近からも現れますが、山を登るにしたがって背がだんだん小さくなってゆきます。  ザゼンソウとエンレイソウの組み合わせです。ザゼンソウはお坊さんが赤茶色い苞のなかで座禅でもしている雰囲気で思わず拝んでしまいました。

 フギレオオバキスミレの群落。道が尾根にぶつかったあたりで初めてあらわれます。白い花はニリンソウ。他にはマイヅルソウやエゾエンゴサク、オクエゾサイシンなどが混じっています。フギレオオバキスミレは道の両側にびっしりと広がっていますが、脇のササやぶにはあまりありません。もともと尾根の向こうの雪が多い斜面にあったものが陽のあたる登山道に広がったこぼれ花といえましょう。  フギレオオバキスミレを大写しにしてみました。どの花も二つ花をつけていて、最初の花がちょうどよく咲いているところで、次のつぼみも膨らんでいます。花が見られるのは両方あわせて10日間くらいでしょう。「花の命は短い」というのが実感です。
 近くのこずえではアオジがいつまでものどかな春の歌を歌っていました。

 この日はヒメギフチョウもあちこちで優雅に舞っていました。カタクリやミヤマスミレで見たことはありますが、フギレオオバキスミレで吸蜜しているのを見たのは始めてです。  新道に多いシラネアオイ。周りにはマイヅルソウやカタクリも見えています。

 
 これはキバナイカリソウです。まず花が咲いて、葉っぱはそのあとで大きく成長します。道南と道北の日本海側に飛び離れて分布する植物です。この山の帰り道、遠くの川岸の斜面があわい黄色に染まっていたのでそばまで行ってみました。一面にこの花が咲いていてびっくりしました。  最後の写真は新道に特にたくさん咲いていたミヤマスミレです。ミヤマスミレの群落のなかにフイリミヤマスミレが一叢咲いていました。



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